№97. お花畑一掃選挙


ニュースサイトメディア「DailyNK Japan」によると、北朝鮮の人権問題、国連で12年連続決議案が提出され、3年連続で、人権蹂躙の最高責任者を処罰するように勧告する内容が含まれている。 最高責任者とは、そう、あの昔懐かしい黒電話風ヘアーの「無慈悲な元帥様」のことだ。 国連が公明正大な機関でないことは、既に我々も知ってしまっているので、今更「国連が全て正しい」などと言う気はさらさら無いが、「最高責任者を処罰セヨ」はカナリ正しい。 日本としても、この「無慈悲な元帥様」への対策は、自国の問題として真剣に考えないとイケナイ時期に来ている。 もし、「他国がうまくやってくれる」などと、平和ボケ的な感覚で傍観していると、近い将来、取り返しのつかないことになる気がしてならないのだ。


今年、2016年10月10日の朝鮮労働党の創立71周年記念日。 この日を前後して6回目の核実験を行うとの憶測がマスコミで流れていた。 流石に同時期に米韓合同軍事演習やられてビビったか、やや時期を外してミサイルの発射実験を2回立て続けに決行した(結果はともに失敗)。 どのような要素でタイムスケジュールを決めているのか、ネットでニュースを見ているだけの自分には分からぬが、 最近英国から脱北した外交官によると、2017年までにあと2回核実験の計画があるらしい。 まあ、いつ核実験やミサイル発射実験を実施しようが、諸外国の制裁や批判を完全無視した大暴挙には変わりない。


主犯の「無慈悲な元帥様」の素行は目に余る。 後見人的存在の叔父を、重機関銃の連射でミンチにしたあと犬に食わせるわ。 視察に行ったスッポン工場の状況に激怒して、後に支配人を銃殺するわ。 ほんの些細な言動がお気に召さず、実妹の学生時代の同級生十数人を地方に追放するわ。。。 こんなやりたい放題の国家元首が、もうすぐ実際に使える核兵器を手にし、正に「なんとかに刃物」な状態間近なのに、 日本を含む周りの国々は、経済制裁なんかよりもっと実効性のある「具体的な対策」を急がなくて良いのだろうか。


いや、この際「周りの国々」はどうでも良い。 我々日本人にとって、一番大きな懸念は「このままで日本は本当に大丈夫なのか?」だ。 産経新聞の記事によると、「(北朝鮮の核の)一番の標的は日本」とのことだ。 記事を読むと頷ける部分が多い、確かに核保有国を攻撃すれば、その報復攻撃で自国は滅亡だし、同じ民族に対して核を使えば、無理やり統一したとしても、後々禍根を残す。 消去法から言っても、反日を国是とする集団狂気のような国々のお仲間である北朝鮮にとっては、日本への核攻撃のハードルはさほど高くない筈だ。 まして、唯我独尊、自称現人神、「裁くのは俺だ」的ぶっちぎりの独裁者である「無慈悲な元帥様」であれば、なんら痛痒もなく日本向けに核のボタンを押すことが出来るであろう。


個人的には、北朝鮮のミサイルの照準ではないクアラルンプール(KLには北朝鮮の大使館もある)で生活していて、 子供達3人もミサイルの飛んでくる確率の低い国々に散らばっているので、直接的な恐怖感は薄い。 しかし、日本には年老いた両親や姉もいるし、自分の会社もあるし、スタッフや友人やお客さん達も沢山暮らしている。 日本を愛する日本人なら、核攻撃を受けて死屍累々、阿鼻叫喚の日本など、誰だって見たくはないだろう。 だが、今現在日本に暮らしている人達の危機意識はどの程度であろうか。 4年後のオリンピックは完璧に開催出来る能力を持ちながら、明日来るかもしれない地震に対する備えをしていない大多数の一般的日本人。 地震は天災なので不意打ちの要素もあるが、北朝鮮の核は既に兆候出まくり、危機的結末も想定可能な状態だ。 「無慈悲な元帥様」の言動や気質からすると、スラエルがイラク・オシラク原子炉を空爆した、バビロン作戦のときよりも危険な状態かも知れない。 これは正に日本にとって「国家存亡の危機」ではないか。


私は、なにも、今すぐ北朝鮮に先制攻撃を仕掛けろなどと、過激なことを言っているのはない。 ただ、この期に及んで「憲法の制約があるから、実力行使のオプションは考えるべきでない。話し合いで解決できる筈だ!」 「平和憲法を遵守して、専守防衛に徹するべきだ」などと、50年以上前に思考停止したままの意見を言っている、現状認識の出来ぬ政治家が存在することが信じられないのだ。 国防を真面目に考えていない政治家は、歳費でスイスの「民間防衛」を買って読むか、即刻議員辞職してほしい。 先軍政治の国に対して、武力の背景無しで、交渉が出来ると思っていること自体が政治家に向いていない。 非現実的な憲法9条第2項などは、とっとと廃止し「いざとなったら抜刀も辞さず」、これこそが、ならず者国家に対する正しい対処法だ。 そして、無駄な争いをしないためにも、敵にとって脅威と成り得る策源地攻撃能力を高めることが大切だ。 同時に発射される100〜200発ものミサイルを、全部海上で射ち落すなどという、リスキーで、人手がかかり、且つ、莫大なカネがかかる「MD妄想」に、日本人の生命と財産を預けるのは止めようではないか。


イギリスのメイ新首相が、他党の議員に「残虐非道な核攻撃の許可を出す用意はあるのか?」と問われたとき、即答で「Yes」と回答した。 そして「肝心なのは、我々がそれを使う用意があることを敵に思い知らせる必要があるということだ」と続けた。 もし、これを日本の総理大臣が言ったらどうなるか。 翌日の新聞や地上波は、「軍国主義者!」、「戦争がしたい首相!」、「首相はヒットラー!」等々、反応が容易に想像ができる。 日韓の反日教育も醜悪で迷惑で厄介だが、戦後日本人が植え付けられてきた自虐史観という「憑き物」も、平和主義という聞こえの良いオブラートに包まっているから、非常に厄介だ。 「平和でいたい!」と唱えれば平和が持続するというこの「信仰」は、確信犯の全共闘世代は言うに及ばず、その口当たりのよさからか、無知で無駄に元気な学生や、ワイドショーしか見ない層までも、 反日的マスコミに同調させてしまう。 周りの国から、騙され、蔑まれてさえいるのに、それには気付かず、無防備な性善説をとっている自分が美しいと思うこのメンタリティ。 まあ、性善説も良いが「日中友好の美名のもと、総額3兆円以上ものODAを実施したが、結果は中国の軍拡を側面支援していただけ」なんて悲喜劇を繰り返すのは、もう止めにしよう。。。 「我々は平和を望んでいる!」(私も同感だ)、「我々は戦争で子供達を死なせたくない!」(もちろん)、「平和に武器なんか不要だ!」(出来れば、ね) 「どこの国とだって問題は対話で解決できる!」(えっ?)、「だから武力は持たない!」(おいおい、かえって危険だろ)、「戦争放棄!」(結果、国敗れて憲法残る。。。) こんな論争をやってる国が日本以外であるなら、是非教えて欲しい。


冒頭の「無慈悲な元帥様」問題。 何を意図したのか正確には不明だが、アメリカの情報関連高官が「北朝鮮の非核化の見込みがない」などと、最近言い出してしまった。 「見込みがない」から斬首作戦を決行し白黒ハッキリさせるのか、または、イラン同様、多少の核開発には目を瞑るが、その量は既存の核クラブがコントロールするつもりなのか、甚だ不透明だ。 「朝鮮半島が不安定な状態の方がアメリカの国益に適っている」という意見もあるが、そうなると、日本にとっては同盟国もへったくれもあったもんじゃない。 そもそも「国家存亡の危機」からの脱出するのための方策を、他国に依存していること自体マチガイだ。


現時点(2016年11月初旬)では、年末から5月迄の間に、国会が解散され総選挙が行われることが確実視されている。 与党、というより安倍首相は、野党がモタついている間に、外交でお手柄をあげ、経済の指標が悪化するまえに、敢えて議席減のリスクをとって勝負に出るということだ。 「永田町は臨戦体制」とのことだが、この際、候補者達は「明るい日本」とか「希望のもてる国」などといった実質意味のない口当たりが良いだけの言葉は置いといて、 喫緊の問題である「国防」と「経済」についての主義主張を、思いっきり簡単にして我々に投げかけて欲しいと思ってる。 積極的に国を護るのか、受身姿勢なのか、それとも何もしないのか。 経済は成長させて果実(税収)をとるのか、成長は諦めて増税で国民が負担を分担するのか、何もせず「見えざる手」に委ねるのか。 とにかく、シンプルなメニューを掲げて欲しい。 クイズ王のように枝葉末節にこだわる人、ブログで相手をディスるだけの人、与党の言うことには何でもかんでも反対の人。 こんな政治家達は、与党であっても野党であっても、税金の無駄遣い、百害あって一利無し。 来るべき選挙では、迷わず落選してもらおう。 そして、危機を現実のこととして考えられる、マトモな人に国を委ねようではないか。 憲法改正はタブー、そして、安全保障関連法案は議論することさえも反対、なんてバカなこと言ってた人達に日本を任せては絶対にダメだ。 真の法治国家の日本では、親であっても、拉致された我が子の救出のために、武器を取って外国に行くワケにはいかない。 全ては法、法律をつくる国会議員が頼りなのだ。


現政権が次の選挙で議席を減らすようだと、この先100年は日本は変われないと言う人が居る。 そして、その100年後は、北の核爆弾の攻撃を受けなかったとしても、「カエルの楽園」のように、中国の冊封体制に組み込まれているだろう。 皆さんは、未来の日本人、いや自分の孫子が、チベットや東トルキスタンのように、日々弾圧されながら、自由のない暮らしを強いられることに我慢が出来ますか?そして、そのことに責任持てますか?


(№97. お花畑一掃選挙 おわり)


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